本当の学習
今の日本の教育は、進学・受験という非常に視野の狭い常識にとらわれ、暗記力・記憶力ばかりが要求される知識重視の詰め込み教育になりさがっています。そのために本来は楽しいはずの勉強を面白くなくしてしまっているのです。
学習の本当の目的とは何でしょうか。
それは、脳に刺激を与え考える力を養うことです。この学習によって得られる大切なことを捨ててしまっては、本当の教育とはいえません。
教育にとって最も大切なのは、子供たち一人一人に秘められている能力を開花させてあげること。その能力とは、つまり情緒や感性、思考力、創造力のことです。
知識重視の教育は確かに速効性があり容易ではありますが、その方法は多くの人が考えている以上に、ずっと早い段階で限界に直面してしまうのです。そればかりでなく、頭は良くても自分の感情を持たない子供が多くなっています。また、情を忘れ人間らしさを失いつつあるのではないか、とさえ思えることがあります。
子供たちの脳をダメにした偏差値教育を改革するためには、学習の基本に立ち返ることが必要です。そのための学習の基本は、「自分らしい学習」「自分に適した学習」をして感動し、その感動によって脳が刺激され、また新しい何かを自分から学ぼうとする姿勢です。
そして、人間の最も優れた能力である直感力、考える力、自分の考えを表現する力、創造する力を身に付けることが本当の学習といえるでしょう
知識だけを教える従来の教育は行きづまり、今こそ直感力、生命への畏敬、情緒、創造力を鍛える本来の教育を取り戻す時期に来ているのではないでしょうか。
塾長 森 博嗣